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『炎天無潅水栽培のコツ』 |
美しく気品あるシャクナゲの花に引かれ、いま静かなブームと成っているシャクナゲ だが、意外と育てると云う |
と難しいとの声が多い、ここで実践から独自の栽培方法を模索し、素晴らしいシャクナゲを育成して居られます |
寺井氏から『炎天無潅水栽培コツ』に付いて筆をとって頂きましたのでご紹介いたします。 |
特 長 (利 点) | ||
1.管理が非常に楽である。 | ||
2.成長が早い。 | ||
3.開花期間が2〜3週間と長い。 | ||
4.病害虫、モグラの害が少ない。 | ||
5.樹型、葉性がよくなる。 | ||
6.日本種の小葉の系統が特に成長良い。 | ||
7.外国種厚葉品種の成長良い。 | ||
8.土壌ペーハー4.5〜5.5と最適。 | ||
9.ピンチ、強剪定不要、枝枯れしない。 | ||
10.異常気象に耐え安定して成育し花付良好。 | ||
11.半日陰栽培より開花期が7日〜10日早く、濃色に開花する。 | ||
12.根腐れ無縁、根張り抜群、移植容易なため大株の移動が容易である。 | ||
13.用土(古瓦再生品、赤粘土、山砂)10t車で1台1万〜1.5万円程度と格安である。ただし距離によりますので近い所より 購入すると良い。 |
注 意 点 | |
1.硫安を含]む化学肥料は葉焼けの原因に成りますので絶対に使わないこと。 | |
2.マルチングは毎年11月〜12月に行い、厚さ5pを維持する。 | |
3.殺菌剤は絶対使用しない。 | |
4.花後〜7月の殺虫剤散布の際ハイポネックス開花促進液1000倍を混合す ると葉が厚くなり耐暑性が増す。 |
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5.植栽のシャクナゲは必ずアカボシ台の接木苗(接木1〜2年生)を用いること。 | |
6.苗木の根は決していじらないこと。 | |
7.植栽時期は10月が最適。(富山県の場合) | |
炎天下栽培をするには | |
マルチングの素材は | |
マルチングの松葉は造園芸業者の剪定ゴミを粗目のチップにした物が入手し易く、重量比にして0.5〜1.0割 | |
の米糠をまぶし1ケ月野積して軽く発酵させたものを使えば、ハイポネックス開花促進液の追肥以外必要なし、 | |
2年間野積みすれば完熟堆肥となるので植栽の時、土に鋤きこむことが出来る、決して未熟有機物は鋤きこ | |
まないこと。 |
発酵リンサン肥料とは | |
米糠、油粕、魚粉、過燐酸石灰、ヨウリン、カニガラ、籾殻、クンタン等に糖蜜、EM1号を加え、ごごく軽く湿ら | |
せ玄米空袋につめて2〜6ケ月発酵させたもの。元肥、追肥に使う。決して生のまま使用しないこと。 | |
---市販はしていません。 |
ポーマンPとは | |
土壌浄化活性剤でチッソ、リンサン、カリはそれぞれ1%含みますが肥料として使うものではありません。堆肥、 | |
ボカシ肥料と併用しますと、降雨により耕やさなくても、地下1m土壌がフカフカ、サクサクになります。また使用 | |
することにより日除けなしでも葉焼けすることなく根の活着が非常に早くなります。 | |
入手先 寺井ガーデン(富山県代理店)Tel0763(82)2890(夜間) 16kg 1袋 5000円 (送料別) |
植え込み苗床を作るには | |
植え床を斜面にすることにより微生物が活発に活動し土壌はフカフカに保つことが出来ます。土壌をフカフカ | |
に保つことがシャクナゲ栽培の秘訣です。 |
『環境に優しい、古瓦の再利用して見ては』 | |
古瓦粉砕品(0〜20mm程度)は焼赤玉土の代用品で常時シャクナゲに適した土壌水分を保つことができます。 | |
-----近くの瓦屋さんで聞いて下さい。 |
苗床作る手順 | ||
1.苗を植え込む所に排水層を作る | 深さ50p程度掘り下げ、古瓦粉砕品0〜20 mmを敷きいれる。必ず微塵を含むもの を使うこと。 |
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2.古瓦粉砕品、赤粘土、山砂を同量混合し古瓦粉砕品で作 った排水層の上に1m程度積み上げる。斜面を作る。決し て平面にはしない。 |
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3.次に斜面一面に完熟堆肥を20p程度敷きつめ、ポーマン P、発酵リンサン肥料を十分ふって深さ30cm程度良く混合 する。 |
完熟堆肥とは堆肥で混合物が良い(ピート モース、腐葉土、バーク) |
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4.シャクナゲは深植にならぬよう、株元が少し出る位に植 え、表面に松葉堆肥で5cmマルチングする。 |
マルチングの松葉は毎年補充する。 |
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矮性の円舞、樹、色、花数、大きさ、周りは 松葉マルチングで、根腐れ無縁 |
苗床手順により造園した圃場、シャクナゲの樹勢が良く花冠も大きい。表面のマルチング は松葉です。-----除草にも効果ありそうですね。 |
その他の注意点 |
1.シャクナゲのみの植栽として、他の樹木、草花を混植しないこと。夏の水切れの原因となる。 |
2.長年半日陰で栽培された株は植えないこと。 |
3.理想のお椀型、樹型にするためには6月初旬に少量の追肥(発酸リンサン)が必要。 |
4.日本種の場合、接木1年〜2年苗より始めると雪囲いしなくても枝折れしない。積雪1m以上の地帯では 雪腐れがでることがある。 |
5.夏期は特に通風の良い場所を選ぶこと。 |