シャクナゲ編
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『屋久島シャクナゲの写真集』 シャクナゲ編
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 九州の屋久島特有の石楠花で葉の裏毛が綿毛状で濃い高山性の種類と裏毛のない天城石楠花に似た低山性の2種類ある。 高山性の屋久島石楠花は標高1600m以上に生息する。 樹高は0.5〜2mの開拡型で分枝性が良く横這い性で枝の伸びは短く生長は遅く自然と盆栽風になる。 葉の大きさは長さ4〜10p 幅2〜4pほどの皮針形から楕円形で厚みのある葉を内側へ巻き込み、展開時は白〜褐色の綿毛に覆われ見事である、後に表面の毛は落ち濃緑色の照り葉になる。葉裏の毛は厚く密生し薄くならない。 花は花冠の径が4〜5p位の漏斗形〜鐘、広鐘形で先端が5裂し雄しべ10本を有し10花程度の花房を作る。花色は淡紅色で、開花後の退色が著しく散り際は白花と間違うほどである。 開花期は東北南部の平地で4月下旬〜5月上旬で無鱗片の日本石楠花では遅いほうである。

 
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 ところで、ヤクシマシャクナゲは樹形や花色、葉の美しさから内外シャクナゲ愛好家の垂涎の的となっているが、その歴史は新しくイギリスのシャクナゲ園芸化と関係する。  シャクナゲがイギリスやヨーロッパに渡って、本格的な栽培と園芸化が始まったのは18世紀に入ってからである。今日でも早咲きの赤花品種として代表的な「ドンカスター」は1860年、ヒマラヤ原産の「アルボレウム」との交配によって作出されたものである。20世紀初めの30年間は、フォレスト(1873〜1932)などを中心とした探検隊がヒマラヤ、中国奥地に入って原種をイギリスやヨーロッパに送っている。  ヤクシマシャクナゲは1934年、イギリスの有名なシャクナゲ園エクスバリー庭苑に移植され、1947年イギリス王室園芸協会のF・C・C賞授与以来、イギリス、アメリカ、ヨーロッパ諸国で人気を呼び、矮小性品種の母種として多くの交雑品種が育成されている。「ハッザー」はヤクシマ系園芸品種である。